伊藤忠ジーンズ・カジュアル課 ジーンズ、パンツ生産の強みを強調

2023/07/20 06:28 更新


様々なスキームの中でも、ベトナムで生地、縫製、洗い加工を一貫で手掛ける取り組みを特に推す

 伊藤忠商事ファッションアパレル部門ファッションアパレル第一部ジーンズ・カジュアル課は、「パンツ、ジーンズの強みを改めて打ち出す」とこのほど東京・代官山で展示会を開いた。様々な生地と生産背景を組み合わせることで、幅広さと深さを併せ持つOEM・ODM(相手先ブランドによる設計・生産)の強さを表現した。

 ミリタリーやワーク、オーバーサイズなどをキーワードに、M-65タイプのカーゴパンツなど代表的なアイテムを準備。それぞれ日本、中国、ベトナムの生地、縫製は中国とベトナムなど、顧客ニーズにより様々な組み合わせに対応できる懐の深さを提案した。特に薦めるのがベトナムで生地、縫製、洗い加工まで一貫生産するジーンズ。「ベトナムで作る製品レベルが上がっており、価格メリットも出る」と日本一貫の場合と比べて大幅にコストダウンできる仕組みを紹介した。生産するハノイ地域の協力工場は、技術指導や品質管理、検品などを徹底するため、人材を送り込み、成果が出ている。同課のボトム生産は、3年ほど前までは中国が全体の半分、ベトナムが3割ほどだったが、現在ベトナムが全体の半分、中国が2割と逆転している。

 21年から日本向けで戦略的パートナーシップ契約を結んだベトナム・サイテックスの打ち出しも強める。同社は、グローバルブランドが活用し、「世界で最もクリーンでサステイナブル(持続可能な)と呼ばれるデニム工場」。21年、自社に紡績設備を設置し、オーガニックコットンや再生コットンを中心に糸、生地の製造・販売を始めた。紡績、織布、染色、裁断、縫製まで自社で手掛け、その全プロセスをGOTSで管理する「世界唯一の工場」という。

ベトナムのデニム工場、サイテックスとは、21年から日本での戦略的パートナーシップ契約を結び、取り組みを深めている

 再利用可能な工場廃液量を引き上げ、工場で使う水のほぼ全てを再利用する。また加工工程の変更により、デニム1本あたりに使用する水の量を従来の80リットルから1.5リットルに減らした。「Bコープ」認証やブルーサイン認証など様々な国際認証の取得に加え「洗い加工の技術力が非常に高い」点を日本でも積極的に打ち出し、顧客を広げる。

 サイテックスで出る裁断くずやB品を樹脂と混ぜてハンガーやいすなどに再生する「ステラポップ」も日本で広げる。サイテックスのグループ会社がタイで製造しており、「アパレル以外の販路が狙える」とインテリア、家具分野などへのアプローチを強める。



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