ファッション・コスメ業界に特化した人材会社iDA(東京)は3月下旬、新たに「デジタルカレッジ」を開講する。新講座は、ファッションや化粧品の販売員が知識や技術を生かし、各ブランドのEC事業の運用担当者として活躍できるように支援する内容。同社の登録スタッフと、求人企業の採用担当者双方のニーズに応えて開発した。
同社によると最近、ファッション企業の本社が集中する都内では、EC担当者の需要が高まっている。増員や採用の希望が増えているのに対し、採用担当者からは「ECは経験者の獲得が難しい」「EC技術はあっても、ファッションの知識やセンスが乏しく、EC担当として物足りない人が多い」などの悩みが寄せられていた。
一方、同社登録者からも「販売職で培った技術を生かし、販売から内勤に転向したい」「EC担当に興味があるが、技術がないので専門的に勉強したい」などの声が多く集まっていた。そこで双方の意見に応え、今回の新講座を開発した。
デジタルカレッジでは、「エクセル」や「ワード」などパソコンの基本技術に加え、商品登録や受注管理、出荷処理などを座学中心に学ぶ。iDA登録スタッフは無料で受講し、研修後に同社に来ているEC担当者の求人に応募できる。第1回の講座は3月下旬に6日間の内容で実施し、今後は週1回、1日6時間、6カ月のコースを組む計画。
同社は「採用者にとって業界の基礎知識や現場を理解した上で、EC担当として技術を習得したスタッフを採用できる利点がある。派遣就業で実力を評価でき、社員採用によるミスマッチも軽減できる」と見ている。