「ガブリエル・シャネル展」開催 デザイナーの影響力に焦点

2022/06/21 11:00 更新


右は1920年代に作られたシルクジャージーのドレス

 シャネルは東京・丸の内の三菱一号館美術館で 、「ガブリエル・シャネル展 Manifeste de Mode」の一般公開を開始した。20年末にパリのガリエラ宮パリ市立モード美術館で開催された後、オーストラリアのメルボルンでも開かれた世界巡回展。象徴的な作品やデザイナーの言葉を通して、20世紀の女性のスタイルを変えたデザイナーの影響力に光を当てている。9月25日まで。

 すとんとしたシルエットのリトルブラックドレスに、機能的なデザインを取り入れたツイードのスーツなど数々のブランドのコード(規範)が、当時の時代背景と照らし合わせながら展示されている。

コードの一つ、リトルブラックドレス

 象徴的なのは、1920年代に作られたシルクジャージーのドレスだ。女性の体を解放するように、当時は下着のみに使われていたジャージーで円柱型のドレスを作り人気となった。デザインは抑制が利いていて、実用的でエレガント。シャネルを象徴するスタイルといえる。

 現代女性に提案する新しい概念。それはアクセサリーにも表れている。目に見えないアクセサリーとして提案された香水「シャネルN゜5」もコードの一つ。フローラルが主流だった時代に、様々な香りを調合して奥行きのあるミステリアスな香りを作った。

フローラルが主流だった時代に「シャネルN°5」のミステリアスな香りは注目された

 展示物と共に、ガブリエル・シャネルの言葉が随所に書かれている。1957年には「取り除くことが必要で、決して付け足さないこと」と語っており、余白が作り出す美学が感じられる。

イブニングコートやイブニングドレスも勢揃いしている
ロシアから亡命してきた皇帝ニコライ2世の従姉妹マリアの刺繍は、異国情緒が感じられる


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