フランス 夏のセール開幕 お祭り騒ぎは過去のもの

2018/07/03 06:27 更新


 仏政府が定める6週間の夏のセールがスタートした。プロモーション、会員カード所持者を対象としたプライベートセール、ディスカウントのオンラインショップなどが日常的になっており、会社を休み、セールのカウントダウンとともに商業施設になだれ込むお祭り騒ぎはすっかり過去のものとなった。毎シーズン、仏経済・財務大臣が百貨店に早朝来店し、セール幕開けとなるが、今回はそれすらもなかった。

 仏百貨店は4月と6月に最大40%引きのプライベートセールを開き、国が定めた正式なセールでは初日から50%引きになる。それがSPA(製造小売業)になると60%引き、さらにはラッキーセブンの7割引きも少なくない。おしゃれなTシャツは5~7ユーロが相場だ。セールのあり方に頭を抱える衣料品業界の団体が仏議会に提出した改正案は可決すると見られるが、施行は早くて1年後と予想されている。

 大手民間調査会社の一つイホップの発表によると、仏人の83%がセールを利用し、一人当たりの予算はこの2年間で24ユーロ増の200ユーロという。仏人がセール好きのDNAを失わぬうちに、セール改革早期現実を望む業界の声が、さらに高まっていくだろう。

(パリ=松井孝予通信員)

パリ16区「ギャップ」前


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