仏ファストファッション規制法案 上院で可決

2025/06/11 18:00 更新


 【パリ=松井孝予通信員】フランス上院は6月10日、超低価格を武器とする「ウルトラファストファッション」の拡大を抑えることを目的とした規制法案を全会一致で可決した。EC大手「シーイン」や「テム」を念頭に置きつつ、広告禁止や新課税など複数の措置が盛り込まれた。秋に予定される両院協議会での調整を経て、成立を目指す。

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 法案は、与党系中道のヴィヨン下院議員によるもので、環境負荷と国内産業の保護を両立することを目的とする。一度削除されていた広告禁止措置は、上院審議で再び盛り込まれ、該当業態による宣伝は全面的に禁止される見通し。インフルエンサーによる販促にも制裁が科される。

 また、製品ごとに課される環境負担金(マラス)は、25年に1点当たり5ユーロ、30年に10ユーロ以上とする方針。持続可能性の程度に応じて負担額が増減する「ボーナス・マラス」方式が採用され、環境に配慮した製品にはボーナス(優遇措置)、そうでない製品にはマラスが適用される。

 加えて、EU(欧州連合)域外から発送される2キロ未満の小型小包に対し、2~4ユーロの新税を課す措置も盛り込まれた。物流優遇を背景に拡大を続ける中国発プラットフォームに一定の歯止めをかける狙いがある。



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