ドーバーストリートマーケット銀座(DSMG)で、ファッションブランド「オーガストバロン」とポッドキャスト「アフターパーティー」によるトークイベントが開かれた。作り手と触れ合い、カルチャーを体感する機会として開くDSMGの「オープンハウス」の一環。今回は雑誌作りから服作りへ広がった歩みと制作の発想をたどった。
登壇したのは、オーガストバロンのベンジャミン・バロンとブロール・オーガスト・ヴェストボー、アフターパーティーの倉田佳子さん、長畑宏明さん、平岩壮悟さん。
ブランドの出発点は、雑誌『オールインマガジン』。「エディトリアルで他のブランドから服を手配するのが大変で、だったら自分たちで作ってしまおうと。最初は一点物を好きなように作っていたが、周りのファンからの声もあり、量産できるブランドに広げていった」と振り返った。
制作はフィクショナルなキャラクターを起点に進む。「2人でいつも一緒に同じ映画、音楽などに触れていて、そこにはシナジーが生まれている。映画のあるキャラクターからインスパイアされて、そのキャラクターがコレクションのコンセプトになることも。直近の『リアルハウスワイフ』は、2年前に東京の古本屋で見つけたボンデージの写真集にあった50年代の主婦像がきっかけだった」という。

長畑さんの「実験的でありながら日常でも着られる服」という評に対し、「何がファンタジーで何がリアルなのか、そこはエキサイティングな部分。自分自身も着てリアルに感じられないと快適さがないし、パフォーマンスしているような気分になってしまう。極端なところから少し引いてみるとか、そのバランスをいつも考えている」と答えた。
雑誌とコレクションの関係についても話が及んだ。「ブランドは自分たちがやりたいことを決めて、それをどれだけ形にできるかという仕事。雑誌はいろんな人を招待して一緒に作る中で結果がどうなるか分からない、より開かれた実験の場。コンセプトはだいたい同時にできあがるので、雑誌を先に手に取った人には次のコレクションがどうなるか、なんとなく分かることもある」という。
紙の雑誌を作り続ける理由も問われた。「デジタルメディアはスクロールして消えてしまうけれど、紙は一緒に生活できるもの。ページを切り取って壁に貼って、それに囲まれて暮らしたり、自分でリミックスできるのがいい」と話した。
今後は11月に展示を行うほか、音楽アーティスト「スマーズ」の衣装も手掛けていく予定だ。
■オーガストバロン
ベンジャミン・バロンとブロール・オーガスト・ヴェストボーによる雑誌『オールイン・マガジン』を起点としたブランド。
■アフターパーティー
倉田佳子さん、長畑宏明さん、平岩壮悟さんによる、ファッションと社会をひもづけながら語り合うポッドキャスト。
