コロネット(東京、七宮信幸社長)は11月1日付で、デザイナー阿部潤一がデザインする「カラー」の事業を承継した。「今後は従来のスタッフも合わせた新体制で、カラーのブランド価値を継承し、さらに力強く進化させていけるよう尽力する」とコーポレートニュースで発信した。
カラーは、コロネットの一部門として運営が始まった。デザイナーとして業務委託契約した阿部はこれまで通り、クリエイティブ面を全て指揮し、パリ・メンズコレクションでの発表も継続する。社員は全てコロネットが受け継いだ。部門長は、コロネットで新規事業などを担ってきた松原玄太郎氏が就いた。
販路もすでに全て引き継いだ。直営店など小売りは現在9店、卸先は国内外で80店。海外出店など今後の取り組みは決まっていない。
コロネットはここ数年、日本ブランドを海外に発信する仕組み作りを模索してきた。今回の事業承継もその一環となる。七宮社長は、23年に繊研新聞が行ったインタビューで「伊藤忠商事がアジアで展開しているプラットフォームを活用しながら、日本のデザイナーブランドの販路を作っていきたい」と語っていた。
カラーは04年に創業。独特な色合わせや異素材の組み合わせを得意とする阿部の美意識を、メンズ・レディスのウェアで表現し続けてきた。今年でブランド設立20年。新体制での新たなスタートとなる。