織物寝具類メーカーの井嶋織物工業(大阪府岸和田市、井嶋丈典代表)は、新しい織り構造「千亀利(ちきり)織」を開発し、毛布向けに先行販売した。大手寝装寝具メーカー数社で採用が決まり、今後はコート地などアパレル向けの開発も進める。
千亀利織は、従来の二重織り毛布の組織に、ポリエステル捲縮(けんしゅく)糸やポリウレタン弾性糸などの伸縮糸を、交絡させずに経糸に織り込む構造。伸縮糸は5本に1本の間隔で配置し、密度をある程度落として織機に掛ける。伸縮糸以外の織り方は従来どおりで、密度をやや甘く織り上げた毛布生地に起毛仕上げを施し、最後に熱処理をして毛布を収縮させる。