紡績企業、捨てられていた繊維を再利用 在庫販売など使いやすさも

2022/09/13 06:27 更新会員限定


「今治タオル」用の残糸や端材を原料にした「ループラス」原糸の在庫販売を開始したクラボウ

 綿紡績が主力の素材メーカーによる資源循環の取り組みが活発だ。繊維製品の生産工程で発生する端材や、不用になった製品を反毛と呼ばれる工程を経て再び糸を生産するというもの。アパレルメーカー、小売業がサステイナブル(持続可能)な物作りをするための一つの選択肢として注目。各社には多くの注文が入っている。

(小堀真嗣)

ミニマム24キロから販売

 クラボウは顧客から受け取った残糸や端材を紡織の安城工場(愛知県安城市)で反毛して再び糸にする「ループラス」の引き合いが強く、生産ラインを増強している。今夏からはループラスで作った原糸の在庫販売を始めた。最小の販売単位は24キロ。これにより、個店レベルの小規模事業者もループラスの活用がしやすくなる。反毛にかける材料は今治タオル工業組合との連携を通じて回収しているタオル用の残糸や端材に限定。トレーサビリティー(履歴管理)も明確に示すことができる。

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