「バルムング」24年春夏のインスタレーション 原体験の感覚を新宿に重ねる

2023/06/15 11:00 更新


24年春夏のインスタレーションから

 「バルムング」(ハチ)は10日、24年春夏のショーをインスタレーション形式で行った。会場は、新宿区百人町のアートギャラリー「ホワイトハウス」。デザイナーのハチは原宿を原点に「都市」と呼応する装いを表現してきたが、今の歌舞伎町や大久保といった新宿エリアでにぎわう若年層のカルチャーに原体験の感覚を重ね、メンズスタイルを軸に未来を描いた。テーマは「ダークグレイキッズ」。

 ツタが生い茂った古民家を入ると、都市の一部を体現する鉄筋の足場が組まれている。足場をよじ登るモデルたちは、グレーやホワイトなど柔らかみのある無彩色のウェアで身を包み、青白いネオンの点滅がその輪郭を浮き立たせる。カーブラインを入り組むように切り替えたフーディー、曲線でカットしたベルトのレイヤードディテールが付いたテーラードジャケット。デイリーユースのアイテムだが、有機的につながったディテールが強い存在感を放っている。

24年春夏のインスタレーションから
24年春夏のインスタレーションから

 「プラモデルで遊ぶような、男の子的な精神性を表現した」とハチ。バルムングを象徴する、メカニカルなアウターは、透明感のあるチュールを重ねたパーツが組み合わさってクリーンなムード。混沌(こんとん)とした今の時代を、柔らかな感性を持って生きるエネルギーを感じさせた。



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