【センケンコミュニティー】《アノ人の別の顔》

2014/08/11 15:03 更新


明治の磁器に学ぶ / エイエヌエイピー 家髙利康社長

 レディスSPA(製造小売り)のエイエヌエイピー(ANAP)の家髙利康社長は、陶磁器「オールドノリタケ」のコレクターでもあります。コレクションは300品にわたり、中には名品集の表紙を飾るものも。約100年前のものですが、現在のファッションビジネスと共通点が多いと言います。

 家髙社長がオールドノリタケに出会ったのは、90年代前半。ロンドンの骨董屋を訪れた時でした。当時は日本での認知度は低く、家髙社長も「100年前に日本でこんな素晴らしい物が作れるはずがない」と半信半疑だったそうです。

 しかし、調べるうちに近代日本が外貨を稼ぐための重要な商材だったことを知ります。欧米の流行を積極的に取り入れ、日本人にはなじみのない商材も作る発想の豊かさや、企画チームはアメリカに置きながら日本で生産するという先進性が大きな魅力といいます。

 意匠をこらした商材で収益を稼ぎ、白色硬質磁器という後の定番品の開発に成功した部分も、見習いたいと強調します。現ノリタケカンパニーリミテド創設者である森村市左衛門は、尊敬する経営者だそうです。

 コレクションするために、当時は日本で普及していないネットオークションを活用することで、貿易のノウハウや英語を習得したそうです。「趣味も極めれば実になるんです」と笑います。



この記事に関連する記事