「アキラナカ」(ナカアキラ)は、東京・世田谷区羽根木のアトリエに併設して、コンセプトショールームを開設した。様々なアーティストや文化人とのコミュニケーションを交わす場を作ることが目的。コレクションの一部を揃えるとともに、アキラナカのデザインに対する思考を反映した空間を作った。
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窓から見える庭には木々や草木が茂る。植物の香りが漂い、静けさを感じる部屋の壁には、25年春夏のコンセプトを表現したビジュアルを飾っている。ゲルハルト・リヒターの手法に着想を得て、フィルムのテクスチャーを通してモデルをぼかした一枚の写真だ。一つのコレクションを作り上げるコンテクストを大事にするなかで、「洋服の形に着地することをゴールとするのではなく、文化的な価値、異なる芸術に帰結していけたら」とナカは話す。
新たな試みとして、ゲルハルト・リヒターの芸術を反映したコレクションとその考え方をチェリストにプレゼンした。チェリストはそれらを発想源に作曲し、さらにその曲を聞いたフォトグラファーが作品を制作しているという。「親和性があって、異なる視点を学ぶ機会を作りながら、ブランドの可能性を広げたい」。ビジネスの場と分けて、今後はサロンや対談などのイベントも開く方向だ。