【ミラノ=青木規子】18年春夏ミラノ・コレクションは、ニューヨークやロンドンと同様に停滞ムードが漂うなか、「グッチ」と「プラダ」というイタリアに生産背景を持つビッグブランドに注目が集まる。初日のグッチのショー会場にはグッチの服で身を包んだジャーナリストやバイヤーがごったがえした。果たして、アレッサンドロ・ミケーレは新機軸を出すことができるのか。
【関連記事】18年春夏ミラノコレクション 「グッチ」
グッチは今回も、飛行機の格納庫として使われていたグッチ本社をショー会場に選んだ。その巨大な社屋に、様々な地域の古代遺跡や古い彫刻が置かれている。有機的なフォルムの作品群と、床を彩る幾何学的なブルーやイエローのライン。曲線と直線、あせた色と鮮やかな色が交錯する会場に、すっかりおなじみになったアレッサンドロ・ミケーレによるスーパーミックスが並んだ。
ぎらっと光るスパンコールのリボンドレスに、クラシカルなゴブラン織りのトップとカラフルなティアードスカート、ガンクラブチェックのジャケットとタイトスカートはレトロなイメージ。デカダンス、スポーツ、フューチャーリスティック、オリエンタル、古今東西の様々なエッセンスを取り入れたルックが行き来する。
花やレパード、白雪姫など、柄のバリエーションは思うがまま。音符のアップリケや大きな球状のスタッズなど装飾も相変わらず楽しい。うっすらとスモークがたかれ、七色の光が激しく点滅するロックなライティングの中、目を瞬かせながら見る新作は細部まで見るのは難しい。だが、そのたたずまいはどれも今のグッチらしいスタイルに仕上がっている。インビテーションには「GUCCY」の文字。新しさではなく、らしさを追求する姿勢は揺るぎない。
(写真=大原広和)