【ダイジェスト】難敵「18-19年秋冬シーズン」を攻略!

2018/04/03 14:00 更新


コレクション担当記者の小笠原拓郎(編集委員)と青木規子

「今年の秋冬は難しい」というのが繊研コレクション報道チームの第一声。さて、何が難しくて、どう対処すべきか。4月5日に日経ホールで行うトレンドセミナーで、難解なシーズンの対処法を解き明かしていきます。今回はそのエッセンスをお伝えいたします。 

*セミナー申込みはこちらから(オンライン申込みは4日17時まで)。当日ウォークイン<飛び込み>でも参加可能できますが、その際はお名刺と参加費<現金>をお持ちください)


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―18-19年シーズンは難しい。 

青木(写真左) 難しいですね。前シーズンは「色柄ミックスだな」「スポーツとフェミニンが組み合わさっているな」と分かりやすかったんですけど、今回は違う。ミックススタイルである点は変わりません。進化したのは、テーストが細かく混じり合っている点です。スポーツも入ってるし、フューチャーも入ってるし、フェミニンも入っている。たくさんミックスされていて、よーく見てみると、ここにもこんな要素が入っている、なんてことにようやく気付く、みたいな。今までよりも複雑になっている感じがします。 

小笠原(写真右) 複雑になっていると言うより、混ぜ方がいろいろある。 

青木 そうですね。 

小笠原 アメリカっぽいものがあったり、ボリュームシルエットがあったり、未来的なものがあったり、フェミニンな感じとかも。トレンドの要素は色々あるんだけど、どことどこを組み合わせるとこういうスタイルになる、その混ぜ方が色々あって、要素の強弱のつけ方と取り入れ方によって出来上がるスタイルが変わる。トレンド要素自体は前シーズンと変わってないけど、強弱のつけ方によって今シーズンぽく見えるかどうかが変わる。 

青木 アイテムは、色柄一杯だった前シーズンに比べて、今シーズンはすっきりしている。すっきりしている中に、いろんな要素が組み合わさっているからすぐには何が混ざっているかが分かり辛い。アイテムそのものは、前シーズンとほとんど変わってません。新しいドレスが出ましたとか、新しいスカートラインはこれです、とかは本当になくて。ストレートスカートやパンプスが増えたね、っていう傾向はあっても、そこに新しいフォルムやアイテムは出てきていない。 

いろんなミックス CALVIN KLEIN 205W39NYC

*セミナー申込みはこちらから(オンライン申込みは4日17時まで)。当日ウォークイン<飛び込み>でも参加可能できますが、その際はお名刺と参加費<現金>をお持ちください)


―お店からすれば。 

青木 スタイリングの仕方次第だから、シンプルなかっこうのなかにネオンカラーを入れるだけでフューチャーなミックスになるし、ちょっとロゴを入れるだけでストリートのミックスになるし。 

小笠原 きっと凄く(お店の)センスが問われると思う。 

青木 ですね。あと、継続しているトレンドが少しずつ進化して秋冬の新作になっているのもポイント。どのあたりが進化しているかは、セミナーのなかで詳しくお話します。 

小笠原 パッと見、確かに、あんまり変わってないように見える。実際、変わってないコンセプトでショーをやったデザイナーもいるわけです。それって「ホワッツ・ニュー?」というコレクション本来のあり方からすれば、ちょっと停滞しているようにも見える。それで売れるのか、っていう問題と、でも変わってないようで変わっている部分があって、それがどこなのかがすごく捉えづらい。 

―例えば。 

青木 グッチとか。グッチはアレッサンドロ・ミケーレになってからはずっとそうやって変わらないスタイルを提案しています。スタイルを継続させることによって、客に「あそこに行けばこれがある」という安心感をもたらし、結果的に売り上げが伸びている。ドラマチックな見せ方とか新しいニュアンスとかを少しずつ加えて進化してきた今のグッチは、成功したモデルだと思う。そういうブランドがほかにも増えた。 

小笠原 コレクションに行く前に、「もう正直、グッチは飽きた」って話した。で、また、どうせ変わらないだろうと思って行って、実際、変わんないところもあったんだけど、でも面白かったんですよ。それは何なのか、これもセミナーでお話します。

変わった? 変わってない? でも面白かったというGucci

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青木 あと、ボリュームの話はどうでしょう。ボリュームと言えば、小笠原さんでしょ。ボリューム押しだから。

小笠原 ボリュームなんですよ、ボリューム。

青木 (笑)。ここ何シーズンかでボリュームはどんどん大きくなってますよね。そのきっかけになったのがあのブランド(これはセミナーで)。ボリュームシルエットが始まった数シーズン前のランウェイ写真を今見ると、そんなに大きくないことに驚きます。きっと目が慣れてきたんですね。当時だって、デカいって思ってたのに、普通に見えるんですから。ほんとファッショってすごいなって思います。そういう意味でも、今回は相当膨らんでます。

―もっと大きくなる? 

小笠原 もっと大きくなるかもしれないよね。わからないけど、まだ、小さくなるとは思えない。

―その前のボリュームトレンドはいつ。 

小笠原 80年代かな。90年代に入ってだんだん大きいのがアウト・オブ・トレンドになって終息した。  

青木 でも、90年代のマルジェラがあの大きな…。

小笠原 あれはそんな大きくないし、ビッグトレンドにはなってない。でも、不思議だよね、どっかのタイミングで、「うわー、大きいのがカッコイイ」と思った瞬間があったんだよ。それがいつなのかは…。 

青木 セミナーで、ですね。マルジェラと言えば、今回のパリコレクションではマルジェラ展が話題でした。マルタン・マルジェラがデザインをしていた89年から09年までのコレクションを集めた展覧会です。そこで展示されていたビッグシルエットのルックと、今回多くのデザイナーが出したビッグシルエットには共通点が多かった。ほかにもつながる要素は少なくありませんでした。マルジェラの影響ってすごくあるんだなと感じました。

ガリエラで7月15日まで開かれる「マルタン・マルジェラ/ガリエラ、1989-2009」展プレビューより

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