17~18秋冬NYメンズコレ、異なる要素ミックス

2017/02/07 06:15 更新


 【ニューヨーク=杉本佳子通信員】17~18年秋冬ニューヨーク・メンズコレクションは、「ラフ・シモンズ」や「ボス」が初参加した一方で、「ラルフローレン・パープルレーベル」が大きく変わるなど、変化の多いシーズンだった。フォーマル、スポーツ、ミリタリー、ロックやパンクをミックスしながら、きれいな色でポップに仕上げる傾向が広がった。

 

■ラフ・シモンズ ボリュームの強弱でロマンティックに

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 ラフ・シモンズは、ボリュームのメリハリを生かしたロマンティックなコレクションを見せた。コートとニットがキーアイテム。オーバーサイズのロングコートは、かっちり作りながら大きくドロップした肩と大きめのラペルが特徴的だ。その量感を「Walk with Me」「I ? youなどのレタリングを入れたガムテープを無造作にウエストに巻きつけて絞る。あるいはコートの上からカラフルなニットのアームウォーマーを被せて、量感を盛り込む。ウール、サテン、ファイユ、ツイードなど、いろいろな素材があるが、サテンの光沢を生かしたフォーマルな雰囲気とレタリングのガムテープのコントラストが面白い。一方、セーターにはメッセージを編み込んだり、太いボーダーストライプを描いたり。アシンメトリーにパッチポケットをつけ、ゆるく編んでボリュームを加えて遊ぶ。高密度の綿で仕立てたオーバーサイズのシャツやぶかぶかのパンツも。


■ラルフローレン・パープルレーベル

ラルフローレン・パープルレーベル

 

 

 ラルフローレン・パープルレーベルの幅がぐんと広がった。ラグジュアリーはそのままに、ネイティブアメリカンやウェスタンのモチーフで遊びを入れている。タキシードジャケットはスエードのフリンジを飾ったり、ヘビ柄のサテンジャカードで仕立てたり。サテンの太いショールカラーをつけたコーデュロイのタキシードジャケットもある。タキシードジャケットに合わせるパンツは、カシミヤのような風合いのコットンや黒のデニム、ニットなどで仕立てた。ネイティブアメリカンやウェスタンのモチーフのほか、ドラゴン、タイガー、熊のキャラクターまで登場する。大きめのアップリケや編み込み模様で描いた。

■ボディ

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 ボディは、室内着のようなリラックスしたカジュアルでありながら、他にないクリエイティブなコレクション。家の中のさまざまな空間にモデルを配し、日常生活の動きをゆったりペースで見せるユニークなプレゼンテーションだ。ギターを奏でたり寝転んだりするモデルもいて、平穏な空気が漂う。服はパッチワークが多い。花魁{{おいらん}}やきもの風の柄を織り込んだジャカードのパンツや鮮やかな花の刺繍を入れた黒のシャツが揃う。90%は、アンティークの生地を使った一点物だ。デザイナーのエミリー・アダムス・ボディは、13年にパーソンズのメンズウェアデザイン科を卒業し、昨年7月にブランドを立ち上げた。17年春夏物は、ユナイテッドアローズとバンクーバーの「ネイバー」が買い付けた。

(写真=ラルフローレン・パープルレーベルはラルフローレン提供。他はランディ・ブルック)

続きは繊研新聞2017年2月7日付10面をご覧ください



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