17~18AWロンドン・メンズコレ

2017/01/10 06:42 更新


広がるカラーブロックと左右非対称


 【ロンドン=若月美奈通信員】世界に先駆け、17~18年秋冬ロンドン・メンズコレクションが始まった。現行の春夏物を見せる「シーナウ・バイナウ」の導入、メンズとレディスの同時発表が増え、スケジュール表にもそれが明記されるようになった。

 最終日に「ヴィヴィアン・ウエストウッド」がメンズとレディスを共に発表するが、「マーガレット・ハウエル」など2月のレディスシーズンにメンズも見せる有力ブランドがショーを取りやめ、若手デザイナーのショーケース的なイメージが強まっている。初日に見せた新進ブランドでは、左右が違う色やデザイン、カラーブロックのスタイルが広がった。


トラベラーたちのユニフォーム…クレイグ・グリーン


 クレイグ・グリーンのワーキングユニフォームの概念をベースにトータルコーディネートで見せるスタイルは、前回の流れを引き継ぎながら、物静かに力強く前進している。前回40年前の木版でプリントしたキルティング地で見せた、直線カットの布地をひもやフックで形成するデザインは、今回はカーペットのような重い立体的な布地となり、よりデコンストラクトな仕上がり。

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 ボタンではなくひもで留め付けるスタイルも健在で、もこもこっとしたジャケットのウエストには同じ布地の太いひもが巻かれている。キーワードの一つはトラベラー。フードのついた薄手のコートやジャケットを重ね着し、さらに同素材の帽子をかぶったモデルは同じ素材の寝袋のようなものを抱えている。さらに、頭をすっぽりと覆った寝袋を着ているかのようなわた入りの防寒スタイルもある。

 

 

 ボビー・アブリーのアニメチックなクリエイションがパワー全開だ。今回目を向けたのは日本の特撮テレビドラマ、スーパー戦隊シリーズのアメリカ版「パワーレンジャー」。ライトブラウンの落ち着いたスポーツカジュアルに、レンジャーたちの鮮やかな5色が重なる。大きなレンジャーの顔がついたスウェットにはモヘヤのショートパンツを合わせる。

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Bobby Abley Fall Winter 2017 London Menswear Fashion Week  Copyright Catwalking.com 'One Time Only' Publication Editorial Use Only

 ざっくりとしたモヘヤがキー素材で、5色をパッチワークしたブルゾンとショートパンツのセットアップもある。左右が違う色やモチーフのデザインも多く、右側にプランドアイコンのクマ、左側にグラフィカルなモチーフがプリントされたトラックスーツ姿の男女は、レンジャーのヘルメットを抱えて登場。

 ブランドのイニシャル「BA」も多用され、これも5色でモノグラムのようにセーターに編み込まれている。一部の商品はショー直後にセルフリッジ百貨店と同店のサイトで発売された。
(写真=catwalking.com)


続きは繊研新聞2017年1月10日付8面をご覧ください



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