16~17年秋冬東コレIII

2016/03/18 05:54 更新


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 注目ブランドが海外へ巣立ったことで、今季の東コレは見所が少ないと言われがちだ。確かにブランドの入れ替わりの時期だが、それは東京がインキュベーションを掲げている以上、仕方のないこと。そんな中でも、東京を基盤に育ってきたブランド、次世代を担いそうなブランドが面白いショーをしっかり見せている。(五十君花実)


妖怪大行進!/リトゥンアフターワーズ

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 一年ぶりにショーをしたリトゥンアフターワーズは、山縣良和ワールド全開のエンターテインメントを見せた。山縣が育った鳥取県に焦点を当てており、主役はきれいなモデルではなく日本古来の妖怪たち。

 なんとも奇想天外だが、鳥取といえば「ゲゲゲの鬼太郎」を生んだ水木しげるゆかりの地だ。オマージュを捧げるとともに、「自然界の全ての物にストーリーがあって、それらが共存しているアニミズムの日本の価値観は、世界でオンリーワン」という考えが出発点にある。

 ハラコのセットアップでおめかしした猫娘に、鳥取砂丘の砂ドレスをひきずる砂かけ婆(ばばあ)、黄色と黒のボーダーセーターはまさに鬼太郎のコスチューム。単なるコスプレ大会では終わらせぬよう、ファッションの世界の文脈もちゃんと取り込んでいる。

 ラメやケミカルウオッシュのデニムで見せる80年代のギラギラ感に、大きな袖のパワフルフォルム、ベロアとチェック地をニードルパンチでつないだドレスのダークなロマンティックムード。それらはこの秋冬のトレンドにずばりとはまる。

 鳥取や山陽の機屋と組んだ素材を使って、地元の産業をアピールすることも忘れない。観客に「これってファッションなの?」と考えさせるトリッキーなやり方はデビュー当時から変わらないが、周りの受け取り方は大きく変わった。

 15年にLVMHの若手発掘アワードの候補に選出されたことでお墨付きを得て、国内外の有力店を開拓。やりたいことがうまく循環し始めた印象だ。

 

 

強さをたたえたフェミニン/ラマルク

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 ラマルク(森下慎介)は、朝9時の高級住宅街の一軒家で小規模なショーを行った。場所からも分かるように、テーマに掲げたのは「静穏」。縦のラインを強調したシルエットで見せる、ビターなフェミニンスタイル11体だ。

 フィット&フレアのノースリーブジレに、タータンチェックに小花の刺繍を重ねたマキシスカート、マリンディテールのワイドパンツ。落ち感のあるロングブラウスは、袖に量感を持たせたデザインが今の気分だ。スカートやブラウスのスリットからちらりと肌がのぞき、ほんのりセンシュアル。

 16年春夏からユナイテッドアローズや香港のITでの販売が決まり、ここでぐぐっと卸し先を広げたいところ。そうすれば、やりたいことがもっとできるはず。
(写真=加茂ヒロユキ)


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