概要
サンスペル(SUNSPEL)は、イギリスで最も歴史のある高級アンダーウェア・カジュアルベーシックウェアのブランド。アンダーウェアからスタートし、現在では上質な日常着のブランドへと認知されている。
Tシャツを世界で初めて展開したブランドとして知られており、現在もイギリス内に自社工場を保有し、縫製はもちろん、素材開発も自社で手がけている。長くしなやかな繊維ときめ細かくシルクのような光沢、柔らかな風合いで知られるシーアイランドコットンなどの高級素材を用いたアイテムは、イギリスだけでなく日本でも人気が高い。
2016年の全世界での売上高は1590万ポンド。メンズを強みとしているが、売り上げのうちレディスも30%を占めている。
日本ではセレクトショップや百貨店で販売され、高級ブランドしてイメージが浸透。2005年前後には世界での売り上げの半分を日本が占めた。現在、日本での事業運営は、TSIホールディングス傘下のアングローバルが担っている。アングローバルは2015年、サンスペル社との間で、輸入、卸、小売り(EC含む)およびライセンスの独占契約を締結。表参道の路面店のほか、百貨店や有力商業施設でのインショップを運営している。
歴史
サンスペル(SUNSPEL)の発祥は、1860年に実業家のトーマス・ヒルがイギリス中部ノッティンガムで工場をオープンしたこと。繊細なコットンを用いた軽くソフトなウェアを生産し、高級アンダーウェア開発のパイオニアとなった。20世紀の初頭には、西インド諸島産のシーアイランドコットンを使用したアイテムの展開をスタート。1929年の世界大恐慌で事業を縮小したが、1937年に今も工場を構える隣町のロングイートンに移転した。
1947年にはアメリカで誕生したボクサーショーツをイギリスにも展開し、デザインを改良した。そこで生まれた、ヒップが一枚布になったスタイルは今でも受け継がれている。1985年にはリーバイス501のCMでサンスペルのボクサーショーツが使用され、男性のインナーがブリーフからボクサーショーツに移行する動きに一役買った。
その後は低迷を余儀なくされた時代もあったが、2010年に駆け出しの新人デザイナーだったジェイ・ダブリュー・アンダーソン(JW ANDERSON)のジョナサン・アンダーソンをクリエイティブディレクターに起用し、現在の基盤を築いた。
ジョナサン・アンダーソンは、サンスペルのデザインやイメージ作りを熱心に行い、2013年秋に自身のブランドがLVMHの傘下に入り、ロエベのクリエイティブディレクターに就任するまでクリエイティブ面の指揮を執った。
(2019年3月現在)