リトゥンアフターワーズは、25年秋冬からベーシックライン「リトゥンバイ」をステップアップさせる。デザイナーの山縣良和がコレクションとして発表する「リトゥンアフターワーズ」と分けて、デザインチームで活動する体制を構築した。
山縣は自身を「子供の頃から注意散漫で、意識があちこちに飛んでしまう傾向がある。空想的な発想を得意とするようで、集約型ではなく、拡散型思考」と分析する。リトゥンアフターワーズの活動は「非現実的で拡散型の思考性を存分に発揮できる」ものの、リトゥンバイで現実に即してプロダクトを提供することに苦労していたという。
将来を見据えて、クリエイションに集中できる環境やチームの必要性を強く感じるようになるなか、リトゥンバイはデザインチーム主導へとかじを切ることに決めた。「より集約された物作り、芯の通った活動をしていく」という。
チームには、山縣がロンドン芸術大学セントラル・セントマーチンズ在学中の同級生が加わった。「write, draw&saw」を標語に掲げ、ファッションの歴史をひも解きながら、身近に感じられるプロダクトを制作する。25年秋冬は、山縣がこれまでに集めてきた古物をモチーフにしたプリントTシャツ、アクセサリー、赤いステッチ装飾に特徴を出したベーシックアイテムを作った。Tシャツには、古びた靴下、糸巻き棒などをリアルなグラフィックで表現した。
卸売りを行う一方、フリーマーケットやのみの市のような催事販売も予定する。山縣やチームにとって大事な発想源を見せる場として「リサーチマーケット」と名付けた。様々な道具やオブジェ、本などとともに、古着にプリントした一点物を扱っていく。