シキボウ、暑熱対策の快適素材を充実 高通気や接触冷感など

2025/04/11 07:58 更新


大阪・関西万博でNTTのパビリオンスタッフユニフォーム(企画はアンリアレイジ)にも採用された

 シキボウは高通気素材「アゼック」を中心に、快適性を高める独自素材の訴求を強めている。主力分野のユニフォームや、一般衣料向けに高い通気性や接触冷感、吸汗速乾、汗じみ防止などの機能素材を提案する。

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 アゼックは正倉院の校倉(あぜくら)造りをヒントに開発した織り、編み組織の素材だ。立体構造による優れた通気性と肌離れの良さが特徴で、同社を象徴する素材として知られる。糸や加工などで接触冷感性や吸水速乾性、伸縮性などの機能も付与でき、様々なバリエーションがある。

優れた通気性と肌離れの良さが特徴の「アゼック」

 アゼックは近年の猛暑と夏の長期化を背景に顧客からの関心が高まっているという。本社ビル(大阪市)で4月11日まで開催中の展示会では、毛羽が少ない特殊な紡績糸を使った接触冷感性に優れる「クールボディ」をアゼックの組織で作った素材を提案した。

 上質な風合い、光沢を特徴とする綿100%の精紡交撚糸「プレミアムデュアルアクション」では、既存の糸よりも強い撚りをかけて接触冷感性を備えた「プレミアムデュアルアクションクール」を出した。強撚の単糸でハリコシとシャリ感が特徴の「エクセリトクール」もある。台湾敷紡が扱う合繊テキスタイル「ニューピステ」シリーズでは、高い伸縮性と通気性を備えるとともに汗じみを軽減するポリエステル100%の丸編みを訴求した。

精紡交撚の強撚糸「プレミアムデュアルアクションクール」を使った丸編み

 展示会は4月16~18日に東京、5月21~23日に岡山市、同27~29日に福山市で完全予約制で開く。連続シルケット加工糸「フィスコ」やフェアトレード(公正取引)綿を使う「コットンエイト」などの主力糸や、織布・染色加工のシキボウ江南が新たに導入した起毛設備を活用した、微起毛で上質な風合いが特徴の新素材「クリムス」も出す。



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