社会問題解決のため、企業が利益の一部を慈善事業に寄付したり、寄付金集めのイベントをしたりすることはよくある。スカイハイファームユニバース(SHFU)はその手法の欠点に着目し、新しいソーシャルビジネスのエコシステムを構築している。発足して2年で550万ドルを売り上げたSHFUの寄付金集めの手法と人気の理由を探った。
(ニューヨーク=杉本佳子通信員)
SHFUは、マンハッタンから車で2時間近く北に行ったパイン・プレインズにある農場、スカイハイファームをサポートするために作られたファッションブランドだ。スカイハイファームは非営利で、生産したすべての野菜、肉、卵を食べ物に困っている人たちに寄付している。創業者は、2000年代初めにアーティストとしてブレイクしたダン・コーレン氏。30歳で40エーカー(約16万1900平方メートル)の土地を購入し、10年にスカイハイファームを立ち上げた。現在12人のスタッフが約60種類の野菜と、牛や鶏を育てている。農場の一角には、コーレンさんが作品を制作するアトリエもある。