長野剛織が手掛けるメンズの「セヴシグ」とウィメンズの「アンディサイデッド」は5日、東京・国立競技場内の駐車場で25年春夏のショーを行った。
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若手バンドのピアノ演奏とともに始まったアンディサイデッドは、ミリタリーやスポーツのアイテムをミックスした軽やかなレイヤードスタイル。タンクトップとジャージーパンツのセットアップに、トレンチコートの下半分をカットしたラップスカート。イエローからピンクへのグラデーションになったシースルーのカーディガンをふんわりと羽織る。テーパードのカーゴパンツの裾には多色の小花柄の刺繍を施す。アクティブな強さと、ドリーミーな色彩やテクスチャーが交じり合う。
この数シーズン、人類の起源をクリエイションの発想源にする長野が着目したのは、エチオピアで74年に発見された320万年前の猿人「ルーシー」。名称は、調査隊が発掘した際に聞いていた、ビートルズの楽曲「ルーシーインザスカイダイヤモンズ」にちなむ。そのミュージックビデオの「可愛らしい世界を反映してショーを作りたいと思った」という。
セヴシグは、ベースのアメリカンカジュアルにサイケデリックな色彩を融合し、「ネオピッピーな表現で」見せた。落書きのようなイラストが入ったスエードのウェスタンシャツブルゾンに、レインボーカラーを吹き付けたスウェットのパンツ。ピンク、オレンジ、水色で構成したオンブルチェックのセットアップやコート。米カジュアルのビンテージ要素を残しつつ、自由で、非日常の楽しさを感じさせるプレイフルなデイリーウェアへと発展させた。
(須田渉美、写真=加茂ヒロユキ)