バンクーバー・ファッションウィークから派生し、クリエイティブなデザイナーを支援するグローバルファッションコレクティブは、2部構成で7ブランドを見せた。前半はカナダの「オールドファッションドスタンダーズ」、日本の「フルタ」、代々木上原の古着屋「フロント11201」。後半はメキシコの「ヒメナ・コルクエラ」、日本の「チドリ」「リンカネーション」、米国の「テスマンアトリエ」だ。
日常服とコスチュームに近いコレクションが並ぶなか、その間を行くようなコンセプチュアルな物作りを見せたのはチドリ。「変身する服」というブランドコンセプトから、ほぼすべてのスタイルをランウェーで変身させた。ミニスカートの裾を引っ張ると2段に分かれて丸く膨らんだフォルムのプリーツスカートになったり、ワンカラーのミニ丈のキャミソールドレスのストラップを下ろすと様々な生地で切り替えたロングドレスになったり。しだいに「次はどう変わるのだろう」と興味が湧いてくる。気候変動やサステイナブルの観点だけでなく、一着の服をいかに楽しむか。そんなわくわくを感じた。
(松本寧音)