「この間、開発した最新型パルコは着実に進化している」とパルコの牧山浩三社長。14年11月開業の福岡パルコ新館、昨年7月開業の仙台パルコ新館「仙台パルコ2」に続き、新しいライフスタイル提案型施設として、今年11月4日に東京・上野に「パルコヤ」を開業、売り上げは「当初計画を大きく上回っている」。「次の時代を見据えた施設としてのノウハウが蓄積され、スタッフも進化した。今後の開発にもつなげたい」とする。
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福岡パルコ新館、仙台パルコ2は消費の変化と多様化に対応し、従来の都市型パルコで過半を占めた衣料品比率を3割程度に抑える一方、生活・服飾雑貨や「ファッションの一つ」である食を拡充、衣料品と雑貨、食を融合したフロアを設けた。「以前はライフスタイル提案と言っても、ファッションビルに毛が生えた程度だったが、福岡新館から随分と勉強し、それぞれのマーケットの違いに対応しながら、進化できた」と言う。
パルコヤも衣料品比率を3割とする一方、コスメと飲食店を特に充実。同じJ・フロントリテイリンググループで、隣接する松坂屋上野店の顧客データや事前のマーケティング調査結果もMDに生かし、要望が多かった都市型ファッションや地元の老舗・人気店も食、雑貨を中心に積極導入した。
売り上げは地上1~6階の「全てが好調」。特に、コスメと服飾・生活雑貨、カフェ、フラワー店、酒販店などを揃えた1階、地元老舗店や全国の有名店を主体に飲食9店を集めた6階レストランゾーンの「坪効率が高い」。「良質な商品を好むお客が多く、客単価も高い。テナントの方々もびっくりしている」という。さらに、パルコヤを通じて「当社と今後も取り組みを強化していきたいという〝パルコシンパ〟のテナントも増えた。次の開発に向けて、当社への信頼が高まった」と手応えを示した。