パルグループHD 奈良県下市町に、廃校を活用した複合施設「キト」を開業

2024/07/02 06:27 更新


体育館だった場所を活用したキッズスペース

 パルグループホールディングス(HD)は7月5日、奈良県下市町に複合型施設「キト・フォレスト・マーケット・シモイチ」を開業する。新規プロジェクトとして廃校を活用し、地方創生を目指すもの。6月28日に内覧会を開き、概要や見どころなどを見せた。

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 同プロジェクトは22年に新規事業部(第10事業部)が着手したもので、旧下市南小学校を衣・食・住・遊・学・働が揃った施設へとリニューアルした。地方の活性化に取り組む場所として、「創業者の井上英隆取締役相談役の故郷として幼い頃からよく訪れ、自然の魅力がたくさんある下市町がパッと思い浮かんだ」と井上真央下市プロジェクトマネージャーは振り返る。

 社内公募制度で新たに4人が異動して加わり、町との交流やヒアリングを重ね、商業プラットフォームとなるような体験型複合施設作りに取り組んできた。

 敷地面積約6700平方メートルの旧小学校を活用し、校舎部分の4フロアをレストランなど様々な場として生かすとともに、体育館だった部分は木のぬくもりが感じられるキッズスペースにした。下市町をはじめとした近隣地域から約30人の雇用を創出した。

 キトの1階には地元の食材や資源を生かし、地産の視点でメニューを揃えたレストラン&カフェ、醸造所、地元農家による新鮮な食材や奈良でセレクトしたものが楽しめるマルシェなどを設ける。すでに複数のオリジナルビールやプリンなどの食品の開発・販売体制が整っており、Tシャツやエプロン、グラスなどのグッズも今後加わる。キッズスペースは、地元の木材を体感できるスペースとして迷路や登れる本棚などがある。企業からの寄贈品という形で幅広い本が集まった。2階には奈良で活動する作家の作品を展示販売するギャラリーや体験ルーム、3階はレンタルオフィスやイベントスペース、4階はスタジオやフリースペースで構成する。

レストランで提供する地元の食材を生かしたメニュー
地元の食材などを揃えるマルシェ
奈良で活動する作家の作品を展示販売するギャラリールーム

 初年度の来館者数は4万人を目標とする。開業月の7月は町役場とも協力して、期間限定店や屋台を導入するなど、意欲的にイベントを仕掛けていく。



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