靴メーカーのムーンスターは26日、東京・銀座にオリジナルブランド「ムーンスター」の旗艦店を開業する。145年に及ぶ同社の歴史上、ムーンスターの屋号で路面店を出すのは初。歴史に裏打ちされた高い技術力と伝統を来店客に感じさせる作りで、ブランドの世界とトピックを国内外に発信する拠点として位置付ける。
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「ムーンスター・ファクトリー・ギンザ」は、銀座レンガ通り沿いに立地する。4階建てビルを一棟丸ごと借り上げ、ムーンスターのロゴマークをビルボードに大きく掲げている。1、2階を売り場(広さ計93.72平方メートル)、3階をイベントスペース、4階をストックルームとスタッフの控え室とした。工場のような無機質な内装の1階は、久留米産のシューズなど、語れる国産品を展示・販売する。
一方、フロア両壁に約350もの靴を陳列する2階は、ベビー、ジュニア、メンズ、ウィメンズ商品を扱う。商品の在庫は持たず、決済はフロアに設置するタブレットで注文するシステムを採用。そのため、陳列でも1型1色でサイズバリエーションを見せ、商品にはタブレットで検索しやすいよう、QRコードを付けた。注文すると翌営業日には栃木の物流センターから発送する。

同店は外国人客の取り込みも意識。同社では2年ほど前から、久留米製のムーンスターを米ニューヨークや仏パリの合同展示会「マン」に出展。少しずつ輸出高を増やしている。猪山渡代表取締役CEO(最高経営責任者)は、「日本市場は成熟しており、海外に可能性を感じる。そのためにはブランディングを強化しなければならず、銀座店はムーンスターのイメージを国内外に発信する拠点として位置付けたい」と話した。
