高島屋横浜店1階のシーズン雑貨売り場で「ハンカチがまわっている」と客が足を止めて不思議そうに眺めたり、商品を手に取る光景に出くわした。同店は4月1日まで、「まわるハンカチフェア」を実施している。川辺と協業した販促策で、回転ずしのレーンを什器に使用し、皿の上に商品を置いたコーナーを設置した。
昨年に続く試みで、ハンカチ商戦の繁忙期に合わせて開いている。「歓送迎会や祝い事の多い3月が1年のうちで最も売り上げが大きい」（同店）として、商戦の盛り上げにつなげる。通常の2倍以上の約800種類を揃えた。
同店は3月がハンカチの年間売り上げの約25％を占める。昨年の新型コロナ5類移行後初のハンカチ商戦では人の集まる機会が戻り、売り上げが全国の百貨店でトップレベルだった。百貨店のアイテム集積売り場は縮小傾向にあるが、コロナ禍で変化した顧客ニーズに対応した品揃え、イベント・販促を強化する。
その一環としてプレゼントだけでなく「こだわりや推し活に合わせた自家需要やインバウンドの土産が増えている」という。シェニール織りや人気キャラクター、再生素材などバリエーションが広がる。百貨店のハンカチは売り上げがコロナ禍前の水準に回復していないが、見て選ぶ買い物の楽しさはリアル店の魅力であることに変わりない。
