地方都市でのファッション個店同士の連携は意外と少ない。普段から競合関係にあり、狭い商圏内で顧客を奪い合うことが多いからだろうか。だが、コロナ下で来街者が減少し、いくら有力店であっても1店舗で集客するのは限界があるだろう。特に〝シャッター通り〟のような商店街ではなおさらだ。
新潟市中心部の古町エリアにセレクトショップ「アフタースクール」を構えるノーライフレッジの白倉和宏代表は「エリア内で協力し合うことで街が活気を取り戻すきっかけにしたい」と地元セレクトショップ2店(「サーティサーティ」「アソビノバ」)と共同イベントを毎月開催する。
イベントの実現には若手スタッフの力が大きかったという。フットワークが軽くて他店との連携にも抵抗感はなく、積極的にアイデアを出し合い協力体制を確立していった。「今後、参加店を増やすとともに、飲食店などとも連携するなど街全体の仕掛けに発展させたい」と意欲的だ。
小売業は地域に根差して成長するもの。これからは街自体の魅力を高めなければ、個店の存在も危うくなる。活気を取り戻すためにも「リアルに交流する場作りが重要」と白倉代表。SNSでの「いいね」の数だけでは満たされないし、つまらない人も多いはず。コロナ禍後、個店の役割はますます大きくなりそうだ。