パリ・メンズファッションウィーク(FW)のショールームマップが変わった。それはオリンピック直前の今回だけなのか? 今後もこの状況が続くのか。
(ライター・益井祐)
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1年以上前から「フライトやホテルが高すぎてバイヤーは来ない」、「ショールームも家賃の高騰やバイヤー不足を危惧してパリの代わりにミラノへ」など、様々な憶測やうわさが飛び交った。ふたを開けてみると若干少なくは思えたが、多くのバイヤーがパリに訪れていた。
ショールームはというと、中小ブランドやマルチブランドショールームはいつも通りにあったが、規模の大きなエージェントや特にプレコレクションはパリをスキップしたところもある。広いスペースはすでにオリンピック関連に占拠されており、例年とは違うロケーションや開催中止の理由になっていた。
一番の衝撃はトレードショー、トラノイがなかったことかもしれない。9月にトラノイ・トウキョーがあるのでそちらに焦点を当てているのであろう。実はホテルやエアB&Bは値段を上げすぎたことや、オリンピック直前のパリの混乱がうわさされたせいか、結構空きがあったようだった。
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「トーガ・アーカイブズ」はいつものパリだけでなく、ミラノでも展示会を開いていた。パリでは靴のプロデューサーである「シックス・ロンドン」のショールームに入居。ユニセックスラインの「トーガ・トゥ」は今の気分だった。ユニセックスといえば、今回パリではなくベルリン・ファッション・ウィークでショーを行った「GmbH」の姿も。涙ながらのスピーチとともに平和を訴えた昨シーズンほどダイレクトではないものの、こちらのセーラームーンの変身シーンのセリフ「ラブ&ジャスティス」をプリントやエンブレムとして使い政治的な姿勢を示した。大きなカフが取り外しのできるブーツや初となるスニーカーも気になった。