ルーブル美術館でトルロニア家所有の大規模な大理石彫刻展が開幕し、早くも話題を呼んでいる。このコレクションは、19世紀にローマの貴族アレッサンドロ・トルロニアが、先代から引き継いだ彫刻作品に、アルバニ家や美術商などから購入した神々、哲学者、詩人らの胸像、神話をテーマにした大型彫刻、精細なレリーフの石棺など世界最大規模の古代ギリシャ・ローマ彫刻の個人所蔵品からなる。学術的にも高く評価され、古代文明の美術研究にとって重要な位置にある。
イタリア国外で初公開となる同展は、17年からトルロニア財団のメインスポンサーを務める「ブルガリ」のメセナによって実現した。コレクションは古代文化や芸術を探求する五つのテーマで構成され、最終章では、ブルガリが修復に貢献した大理石像と、ルーブル所蔵の修復されたボルゲーゼ・コレクションの彫刻が並び、その調和する美に圧倒される。11月11日まで。
(パリ=松井孝予通信員)