群馬県・桐生産地の3社が手掛ける国産シルクのスカジャン「KIRIJUM」(キリジャン)が売れている。名門・成田屋ゆかりの「歌舞伎十八番」に着想を得て新シリーズを加えたもの。9月30日からの期間限定店では、販売点数が2週間で24点。新作は「暫」「勧進帳」「不動」の3型。歌舞伎俳優の市川團十郎さんが応援役を務めている。
刺繍加工の大桐(群馬県みどり市)と生地のミヤマ全織(桐生市)、縫製のトラスト・インターナショナル(同)で製作し、デザイナーの古谷マミコさんが企画・デザインから営業、プレスまでを担う。群馬県オリジナル蚕品種「ぐんま200」のシルク生地に、県指定ふるさと伝統工芸の「横振り刺繍」を施す。サイズはS~XXLの5サイズで、ジェンダーレス。

定番の価格は税込み39万5000円。2年前に比べ6万円ほど値上げした。倍近い生糸価格の上昇に加え、刺繍の工芸士への還元も考えてのこと。刺繍量の多いものや表裏にプリント、刺繍を施したものは手がかかることもあり49万5000円で、リバーシブルの歌舞伎シリーズもこの価格だ。それでも「商品価値を理解してもらっているようでお客様の反応も問題ない」(古谷さん)と話す。
三越銀座店では1週間で10点を販売した。「暫」をアメリカ人女性が購入したり、カナダ人男性が「勧進帳」を注文したり。客層はインバウンドと日本人が6対4。シセイドウ・ザ・ストア(東京・銀座)の2日間の催事でも「暫」と尾長鶏柄が1点ずつ売れた。
伊勢丹新宿本店メンズ館では20日までの期間限定。その後、12月25日まで(一部期間を除く)展示を続けるという。今後も全国の主要百貨店でイベントを順次開く予定だ。

市川團十郎さんは「暫」を見て、「卓越した技と大胆な構図に深い感銘を受けた」といい、歌舞伎の継承にも通じる志を感じたとして応援役を引き受けた。
