26年6月に開かれた「ファッションECサミット―第9回ファッションECアワード記念講演」(繊研新聞社主催)。サポート賞を受賞したInsightXの中沢弘樹代表取締役CEO(以降、中沢CEO)が登壇し、ECのパーソナライズと導入企業への支援について講演した。
「事業者の情熱をユーザーの感動へつなぐ」をミッションに掲げる同社。講演時点で、パル、シップス、オンワードグループなど21社がサービスを導入している。
――埋もれる商品に光を当てる
中沢CEOは、強みとしてプロダクトと伴走支援を挙げた。EC事業者は、数多くの商品に加え、コーディネートや特集記事などのコンテンツを持つ。一方、ユーザーが見られる情報は限られている。売れる可能性のある商品も、目に触れないまま埋もれてしまうケースが多い。
商品やコンテンツをどのような文脈で見せるかを「切り口」、商品やコーディネート、記事などの中身を「コンテンツ」と呼び、その組み合わせを「シェルフ」とする。閲覧や購買履歴などを基に、ユーザーごとの「いま見たい」切り口を推測。その切り口に沿ったシェルフを表示し、EC上の売り場を一人ひとりに合わせて最適化する。
――サイト内外の接点に展開
この仕組みをサイト内外の買い物接点に展開するのが、AI接客基盤「シェルフ接客プラットフォーム」だ。商品情報やユーザーの行動・購買データに加え、検索キーワードやお気に入り、天気、メディアの動向、事業者側のMD意図なども判断材料にする。
サイト内では「シェルフ型レコメンド」を使い、トップページや商品詳細ページなどに、ユーザーごとに異なる商品群を表示する。商品だけでなくコーディネートや特集記事も、それぞれユーザーの関心に合わせて表示できる。
LPやメールにも同じ仕組みを展開する。「シェルフonメール」は、会員の興味や行動のタイミングに応じて、メールの送信内容を変える。「シェルフLP」は、来訪者ごとに表示する商品を変えながら、LPの制作作業も効率化する。

――導入後も改善を支援
もう一つの強みが、導入後の伴走支援だ。中沢CEOは「導入してからがむしろ本番」と強調した。プロダクトを提供するだけでなく導入後のデータを分析。結果を基に改善策や次の施策を提案し、導入企業とともに効果を高める。課題の特定から施策の立案、実装、効果測定、次の施策までを一貫して支援する。
導入企業のコメントも紹介された。シップスの茅野充宏DX部デジタルマーケティング課長は、月次報告に加えて次の施策を継続的に提案し、実行に移すきっかけを作る点を評価。
パルの堀田覚取締役専務執行役員・プロモーション推進部部長は、課題を理解しようとする姿勢とプロダクトを磨き続ける姿勢を評価。「お客様にとってのいい体験を一緒に作っていくパートナーとして信頼できる」と声を寄せた。
中沢CEOは「眠っている商品と皆さんの情熱に、もっともっと光を当てていきたい」と締めくくった。
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