クリスマスが近づき、華やかな輝きに包まれるパリの街。その中で、メゾン「エルメス」の24フォーブル・サントノーレ店のウィンドーディスプレーは、幻想的な物語を思わせる演出で人々を魅了している。テーマは「クリスマス・ハルシネーション」(幻覚)。ディスプレーを手がけた同メゾンのデコレーションディレクター、アントワーヌ・プラトー氏は「奇跡」や「想像を超越するもの」をたたえ、卓越した感性でこの特別な季節を表現している。
神秘的な洞窟を舞台に、翼を持つ馬がメゾンを象徴するかのように現れ、周囲にはレザーグッズやビジュー、テーブルウェアなど、クラフトマンシップが息づく様々な製品が美しく取り囲む。このディスプレーは毎日通りを歩く人々を驚かせ、訪れるたびに新たな発見や感動を与えることを目標としているという。
ディスプレーデザインには、ディテールへのこだわり、ユーモアのエスプリ、そしてほほ笑みを共有し感情を揺さぶるという思いが交錯する。翼を持つ馬が、人々を想像のかなたへと優雅に誘い込むようだ。
(パリ=松井孝予通信員)