中伝毛織の子会社、藤井整絨(愛知県一宮市)は3月31日、染色整理事業を艶清興業(同)へ事業譲渡する。同社はウールを中心とした天然繊維、合繊などあらゆる素材の織物・ニットを染色整理する老舗企業。18年に匠整理と合併した。
背景に染色整理業を取り巻く厳しい環境を挙げた。コロナ禍による不況を契機に、需要の減少、コスト上昇、人材確保の困難など厳しさが増していたとする。長期化する構造的な不況を受け、将来にわたり安定した事業継続と技術の維持・発展を実現するためには、単独での事業継続ではなく、より強固な経営基盤のもとで事業を承継していくことが最善であると判断し、事業譲渡に至った。
今後は藤井整絨で使われている主要なウール染色整理設備、ニット整理設備を移設し、同分野の業務に長年携わってきた主要な営業、見本、生産担当者が移籍する。主要設備の移設はすでに進めており、3月から加工指図の受注や見本加工を開始できる体制を整えていく。4月から本格的に量産の加工を開始する予定。当面は現行の取引条件を基本として進めていく。
藤井整絨中島幸介社長は「単なる事業の移転にとどまらず、染色整理技術の次世代への継承、安定した供給体制の構築、尾州産地を含む日本の繊維産業全体の発展への貢献につながるものと確信している」とコメントした。
艶清興業は「藤井整絨が築いた取引関係を大切にしながら、産地のサプライチェーンの維持・安定に取り組んでいく」とする。