エコミットは、業界の際を越えた資源循環システム「リユースシフト」プロジェクトを打ち出し、その第1弾としてコスメティックブランド「シロ」を販売するシロとのPOC(概念実証)をスタートした。エコミットは「個社では難しい資源循環の取り組みを推進する。物作りで世界をリードした日本が循環という領域でも世界をリードする時代を多くの方々と目指す」(川野輝之代表取締役CEO=最高経営責任者)としている。
(北川民夫)
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シロは「シロリユースプロジェクト」を掲げて、エコミットと大規模な容器回収とリユースを前提とした物作りに取り組む。8月8日~10月31日を実証試験の期間として、全国のシロ25店舗で使用済みガラス容器を回収する。衣料品の回収もシロの一部店舗で実施し、容器回収とともに資源循環の相乗効果を狙う。
エコミットは、容器や衣料品の回収・選別・再流通を一貫で行う自社サービス「パスト」を活用して、全国50~100カ所で回収する。これによりリユースシフトの実証試験の期間中に、ガラス容器1万本、衣料品3万着の回収を目指す。また、シロは、期間中に回収した容器や衣料を再利用した製品を販売する期間限定店を、年内に開設する。
リユースシフトには、ブルーボトルコーヒー、LINEヤフー、三井不動産レジデンシャルが、今後の参画企業として決定している。ブルーボトルコーヒーは、本格的な参画に先駆けて、8日から開始したリユースシフトのPOCに参加。東京や大阪、名古屋、福岡など全国7都市の対象となるブルーボトルコーヒーカフェで、シロの使用済みガラス容器や衣料品、ブルーボトルコーヒーのコットントートバッグを回収する。回収品を持ち込んだ来店客には、ブルーボトルとシロで利用できる共通クーポンを提供する。
エコミットの川野CEOは「循環社会に向け、社会変革の大きなうねりを作っていきたい」とコメントし、同社の山川咲取締役CBO(最高ブランディング責任者)は「創りたい未来、やりたい理想を皆さんと一緒に実現していきたい」と語った。シロの今井浩恵代表取締役会長は「『売れる、映える、リユースする』はこれからの企業に必須の課題。地球から得た利益を、地球に返す企業が残っていく」と話した。