【ロンドン=若月美奈通信員】英大手EC専業ファストファッションのブーフーグループが急成長している。主力ブランドの「ブーフー」に加え、17年初頭には「ナスティ・ギャル」と「プリティ・リトル・シングス」を傘下に収め、18年2月期決算は、売上高5億7980万ポンド(前年度2億9460万ポンド)、売上総利益3億640万ポンド(1億6080万ポンド)と、売上高、売上総利益ともに倍増した。税引き前利益は4330万ポンド(3090万ポンド)で40%増となった。
同グループは06年にマンチェスターで創業。16歳から24歳をターゲットにしたレディスカジュアルのブーフーを立ち上げ、10年間で売上高3億7410万ポンド(約560億円)のブランドに成長させた。平均価格13ポンド(約1950円)のワンピースやトップ、デニムウェアが主力で、2万7000アイテム以上を揃える。毎週100以上の新商品を投入する短サイクルが強みで、通常のファストファッションのスピードを上回るウルトラファストファッションブランドとして知られている。現在はメンズ、キッズ、マタニティーも加わった。
17年1月には、アクセサリーブランドとして12年にスタートしてトータルレディスブランドになったプリティ・リトル・シングスの株式66%を取得。翌2月には、創業8年で総資産100億円以上の人気ECショップになりながらも突如経営破綻した米・ナスティ・ギャルを買収した。ともにブーフー同様、10代後半から20代中ごろのデジタルネイティブ世代 にターゲットを絞っている。
グループ内ではブーフーの売り上げが65%を占め、アクティブカスタマーは前年比22%増の640万人。成長率ではプリティ・リトル・シングスの売上高が前年比228%増の1億8130万ポンド、アクティブカスタマーは128%増の300万人となり、新年度上期に独自の倉庫を構える。
英国内の売り上げ95%増、海外99%増と内外ともに伸びているが、今後は各国に対応したウェブサイトも充実させる構え。それに対応すべく、19年初頭には新しい配送センターも完成させる。新年度も好調に推移しており、19年2月期は売上高で35~40%増を見込んでいる。
今年1月にはクルーズが運営するECモール「ショップリスト」内にブーフーを出店し、日本進出も果たした。レディス、メンズ、キッズが揃う。
