香港発でリュック主力のバッグブランド「エイブルキャリー」が、日本での売り上げを伸ばしている。24年2~10月に、卸で約1万個を販売した。シンプルで機能的な商品が受け、性別や年齢を問わず愛用者を増やしている。
19年にスタートし、23年にアウトドア用品の輸入・卸主力のハイマウント(東京)と代理店契約を結んで日本に本格進出した。2本のショルダーストラップがバッグの底を支える構造で、肩への負担が少なく、〝無重力バッグ〟として話題になった。
現在の扱い店舗数は約200。当初はバッグ専門店と大手雑貨店への卸が主な販路だったが、服を扱うセレクトショップや、ライフスタイル専門店にも拡大した。
中心価格は2万円台後半~3万円台と高価格だが、「ネットや口コミで商品を知った客による指名買いが多い」(ハイマウント)。9月に平均約1割の値上げをしたが、商品の質に納得している客が多く、売れ行きは鈍化しなかった。
女性客も増えており、男性客と同じくビジネスシーンで使いやすい21リットルサイズのモデル「デイリープラス」が特に売れている。
11月には横浜みなとみらい地区の横浜赤レンガ倉庫で開かれた音楽フェスの物販エリアに出展した。25年に出す新作の披露もあり、ブースには多くの客が集まった。
自由な使い方を
ジュリアン・チョウエイブルキャリーCEO(最高経営責任者)の話
ハイマウントというパートナーに恵まれ、日本市場に素早く浸透することができました。また、素材のPFAS(有機フッ素化合物)フリー化に即対応できた点も、成長を支えたと考えています。
シンプルで機能性に優れた都会的なバッグと評価されていますが、アウトドアなどにも適しています。ライフスタイルに合わせて自由に使ってもらいたい。今後も顧客の声を吸い上げた新商品の開発を続け、求められる製品を作り続けていきたいです。