AACD 偽物排除へ新団体「宣誓マーク」認定事業を開始

2018/05/01 04:25 更新


 並行輸入業者、リユース業者などで組織する日本流通自主管理協会(AACD)は、消費者を偽ブランド品から守る取り組みとして「宣誓マーク」認定事業を開始する。より多くの団体などの参加が活動の成否を分けるため、「不正商品排除の志を同じくする、様々な団体などと共同して新たな団体を立ち上げ、同事業を進める」考え。

 AACDは大手GMS(総合小売業)、中古ブランド品販売業者、ネット販売業者など125社が会員となっている。並行輸入品や中古品流通では偽ブランド品が混入する可能性があるため、AACDは会員企業の情報を持ち寄り、会員企業や消費者が偽ブランド品の被害に合わないように、自主的に決めた取り扱い基準(協会基準)を設けている。「疑わしきは扱わず」を基本精神に、協会基準に合わない商品を販売した場合は購入者に対して返金する義務を負う。

 消費者がAACDの会員企業から購入した商品が「偽ブランド品ではないか」という疑問を持った場合は、「AACD消費者Q&Aセンター」(コールセンター)に相談することができる。そこで「基準内商品」か「基準外商品」か判断でき、会員企業はその判断に従い、返金などの義務を負う。トラブル解決のために法務省認定ADR(裁判外紛争解決)「ブランド110番」の活動も行っている。

 ただ、偽ブランド品は以前は高級ブランドだけの問題だったが、最近ではあらゆるブランド、アイテムに偽物が広がっている。AACDの会員企業だけでは対応しきれない状況になっているため、多くの事業者に偽物排除の活動に参加してもらい、健全な事業者ネットワークを構築するのが「宣誓マーク」事業の狙いだ。

 活動では、①不正商品を取り扱いたくないと考えている事業者であること②不正商品の疑いがある場合、新たに設ける基準に基づいて客に返金することを約束できること③積極的に偽造品排除の情報収集活動に協力する強い意思をもつ企業であること、を認定する。認定を受けた企業はECサイトなどにマークを掲示することができる。AACDは不正商品排除の志を同じくする様々な団体などと共同し、新たな団体を設立して同事業の活動を進める考えだ。

◇定時総会で記念講演

 日本流通自主管理協会は第12回定時総会を都内のホテルで開いた。協会創立20周年記念講演、懇親会も開き、約190人が参加した。総会では代表理事に沢田登志雄コメ兵常務を選出した。



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