ある国内縫製業の若手経営者のツイートが目に留まった。それには、取引先のアパレルメーカーから送られた次の内容のメールが添付されていた。「お世話になっております。もうさっさと出してください。うっとうしいわ。地獄へ行け」。結局、このアパレルメーカーは納品された商品にクレームを付けて、工賃を支払うことはなかった。縫製業者は「こんな取引をしたのは初めてです。勉強になりました」とコメントした。
これに対して同業者や異業種から「ありえない」「こんな社会人がいるのか」「野放しだけはしないでほしい」などの引用ツイートが相次いだ。なかには「未払い問題は確かによくあるし、契約があいまいな業界でもある。リスクを双方で負担する人情味のある取引は減り、隙あらば根こそぎ奪われる時代なので、リスクヘッジや契約・法的対処と知識は必須」とのアドバイスもあった。
これまでも下請け業者に対する未払い問題はあったし、それが公にされることなく泣き寝入りを余儀なくされるケースも少なくなかった。しかし、今やSNSを通じてツイートは拡散される。小さきものの〝つぶやき〟を軽視してはならない。
（民）
