「ＳＣＹＥ（サイ）」は１７年春夏、スポーツの要素を取り入れた。機能的なディテールが入っていたり、サイズ感を少し大きくして着方でシルエットを変えられるデザインに特徴がある。サイらしいパターンや素材にこだわりながら、見た目はさらっとシンプルに。〝手をかけたシンプル〟とでもいえるコレクションだ。
素材は天然素材を軸に原料にこだわった。ステッチの沈み具合や風合いが独特となることから、製品染めも多い。ポリエステル・ナイロンは一見、製品染めには見えないもので、プルオーバーやトップ、クライミングのディテールのアクティブパンツに仕立てた。高密度コットンサテンは、その素材ゆえ製品染めが難しいものだ。
アイテムで特徴的なのは、ドリズラーとコーチジャケットとブレザーが合体したようなディテールのアウター。スナップボタンでヘムがドローコードのディテールになっている。ドローコードを絞ることでスポーティーな雰囲気で着こなせる。カジュアルとテーラードのミックスアイテムだが、テーラード工場に二本針ミシンを導入してもらって慣れてもらうなど、工場と二人三脚で取り組んできた。
シルク・コットンポプリンのワンピースも隠れたこだわりがある。襟のリボンは縫製後にくっつけたのではなく、最初から襟にくっついている仕様だ。ギャザーで量感をとって、軽やかなフルイドラインを描く。ギザコットンシャツは長袖を折り返したような仕様の半袖で、ターンナップカフがそのままアームホールに挟み込まれている。
ギザコットンのターンナップカフのシャツ3万2000円
シルク・コットンポプリンのワンピース6万4000円
ヘムにドローコートがついたウール・リネンのギンガムチェックジャケット5万9000円
