奈良県靴下工業協同組合は、昨年11月に開設された日本貿易振興機構(ジェトロ)奈良貿易センターなどのバックアップを受け、秋に欧州ミッションを派遣する。過去に中国市場開拓などの取り組みはあったが、付加価値品を中心に欧州市場の開拓を目指す。
ミッションの派遣日程は9月29日から10月4日、パリを予定。詳細はこれから決定するが、現地の展示会、靴下メーカーや売り場視察のほか、バイヤーを招いた商談会なども開催する計画。ビジネスが進めば、バイヤーを2月に奈良に招き、より具体的な商談や製造現場の視察につなげていきたい考えだ。
組合は近年、産地ブランド「ザ・ペア」を中心に国内で販路開拓を進めてきた。奈良産地全体の昨年の生産量は、9480万足と1億足の大台を割り込んでいるが、有力企業は設備投資の強化による新商品の開発、オリジナルブランドの本格化など、前向きな姿勢が目立つ。
昨年の輸出量は日本全体でも135万足にとどまり、中国を中心とするアジア向けが中心。日本とEU(欧州連合)のEPA(経済連携協定)が19年2月に発効したこともあり、ほぼ手つかずだった欧州市場の開拓を進めていく。