近年、夏は欧州もアジアも酷暑に見舞われている。スタイリングを楽しむ余裕は激減した。汗だくだからTシャツとショートパンツで十分、できるだけ薄着をしたい。軽くて涼しい服が一層、求められるようになった。
とはいえ、涼しさだけを追求するとあまりにシンプルになってしまう。暑い夏でもファッションを楽しみたい。どうすればワクワクできるか。各地で開かれた27年春夏ファッションウィークは、そんな視点を出発点にしたデザイナーが多かった。
目立ったのは、肌見せのレイヤードスタイル。ブラやチューブトップに、かなり短いクロップトトップや深いネックラインのドレスを重ねれば、涼しそうな真夏のレイヤードが完成する。胸元やウエストを大胆にのぞかせつつも日常になじむ、ヘルシーな着こなしが広がった。
色柄が多いのも特徴の一つ。何の変哲もないワードローブも色×色、柄×柄にすることで、ドラマチックに変身する。ジャーナリストやバイヤーの評価が断トツだった「ドリス・ヴァン・ノッテン」は、色ミックスのスタイルにビーズ刺繍やブローチをいっぱい飾って、日常をエモーショナルに演出した。
温暖化が市場に与えた課題は多いが、制約があったからこそ新しい発想が生まれ、生き生きとした創造につながった。27年春夏は例年よりも自由なファッションが広がるか、期待したい。
