《めてみみ》提案は棚からハンガーへ

2026/10/21 06:24 更新NEW!


 「ハンガー映えする服も意識しています」。数年前にデニム商品を主力とする岡山発ブランドのデザイナーが話していた。当時はあまりピンとこなかったが、最近になり同様の話が増えたのを実感している。

 デニム商品は後加工で表情が大きく変わる。一般的にはき込んでできたアタリを表現するリアリティーのある加工が多い。だが、そのブランドは普通アタリの出ないような部分に加工して新しさを打ち出し、セレクト店を中心に成長してきた。それだけに、ハンガーにつって魅力をアピールしてもらいたいというわけだ。

 ジーンズカジュアル専門店には、ジーンズを畳んで置く専用棚がある。同じ品番のサイズ違いを素早く出せるなど効率良く売るには便利だ。かつてはナショナルブランドの営業担当者がこの棚を自社商品で多く埋めるため競い合っていた。

 その後、そうした地方の専門店の多くはセレクト店型へと転換。大手の中には業績を改善できず、他資本に入ってMDを再構築中のところもある。売る棚は総体的に減少した。先日改装オープンした某ジーンズブランドの直営店は、「まず気軽に商品を手に取ってもらいたい」とハンガーでつって見せる手法を新たに導入した。ジーンズが大量に作られて売られる〝量〟の時代からの変化は、売り場の提案の仕方にも表れている。



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