「コウザブロウ」の24年秋冬コレクションのテーマは「ナイト・フォール」。ニューオーリンズとテキサスに行った時の空気感と旅の思い出を着想源にした。夕陽が沈み終わった時のムードの中に、東西文化の出会いというブランドの路線を重ねた。
今シーズン初めて本格的に開発したのは、亀甲柄の刺し子風ジャカード。デザイナーの赤坂公三郎がブルックリンの自宅の庭で、ログウッドを使って赤紫色にむら染めした。色のイメージは、自然光の加減でテクスチャーと色の見え方が変わるロスコチャペルから得たという。ネックラインやポケットのディテールに、和装の雰囲気をさりげなく入れた。
シースルーのオーガンディをボアの上に重ね、内側にキルティングを当てた3重構造のジャケットもある。パンツはワイドレッグ、前から見るとストレートだが横から見ると立体的にカーブしている「3Dシェイプパンツ」、ズートパンツ風など、バリエーションを豊富に揃えた。
(ニューヨーク=杉本佳子通信員)