《連載・責任者が語る、欲しい人材》① ポイント執行役員人事部長・橋本勝志氏 変化を恐れない突破力のある人(本紙3月4日付け)

2013/07/12 11:09 更新


 「ローリーズファーム」をはじめ、学生にはなじみのブランドを数多く揃える。「あのブランドが好きだから」と、採用試験を受ける学生も多い。チームワークの良さは店頭からも伝わる。ただこれからの企業戦略の中で欲しい人材は、協調性よりむしろ積極性。海外戦略の本格化も含め、突破力のある人材を求めている。

 ――欲しい人材は。
 「変化、進化を恐れず、自ら担う人」。そういうと当たり前に聞こえるが、この数年で特に強く求めるようになった。海外進出も本格化し、日本市場では新たなビジネスモデルを確立しようとしている。こうした時期だけに、リーダーシップを持てる人材が欲しい。

 ――14年の採用計画は。
 新卒採用は毎年20人くらいずつ増やしている。11年入社が100人、12年入社125人、13年入社141人、14年採用予定は180人だ。年間社員採用は350~400人だが、そのうち新卒が4割、社内アルバイトからの社員登用が6割だった。14年採用は新卒比率を5割まで上げたい。

 ブランドとともに会社の認知度も上がってきた。優秀な学生の応募が増えている。勉強ができるというだけでなく、興味の対象が多様という学生たちだ。少し前までは、明るい、人あたりが良い、協調性があることが採用基準の中心だった。ここへきて重視するのは、積極性、自立性、計画性。もともと和を重んじる社風があるので、今求めるのはむしろ我が強い人。どんなことが起こるかわからない時代だからこそ、何かが起きた時の問題解決力、突破力のある人が欲しい。周りを押しのけてでも、という棘(とげ)のある人がいてもいい。

 ――外国籍の学生の採用は。 日本に留学する学生で、13年入社から本格化した。当初5人くらいの計画だったが、いい人材が集まったので10人採用した。日本で働きたいという希望があり、ファッションが好きという共通項がある。希望職種は販売員、マーチャンダイザー、管理部門など様々だが。日本人学生でも海外志向の強い人は採用したい。半年以上の留学経験のある人、TOEIC800点以上の人などは、要チェックだ。

 ――採用の決め手は。
 最後の場面では、「この人の持っている能力をうちで生かせるか」が決め手になる。どれだけ賢くても、小売業で笑顔のない人では仕事はできない。人として基礎の部分ができているかどうか。これは第1の条件でもあり、最終の判断でもある。

【ここに注目】 福利厚生がしっかりしている。産休取得者は数年前は年間10人程度だったのが、この1年で年間60人程に増えている。「それが目的の応募は困る」が、女性が選ぶ上で一つの指標となる。



この記事に関連する記事