「イレニサ」(小林祐、安倍悠治)はこのほど、都内で25年春夏向けのショーを行った。デビューから10シーズン目でレディスラインを始め、男女のモデルを交えて見せた。
テーラーリングを軸とするなかで、体に付かず離れずの緩やかさと、品のある印象を両立させた。艶やかなサテンやサマーウールを使ったセットアップのジャケットは、ドレープを生かした自然体のシルエット。ゴージを下げたラペルをアクセントに、クラシック過ぎないモダンなバランスで見せた。
テーマは「可変する空間」。素材の力とパターンによって、体に寄り添う柔軟性のある造形へと発展させていく。透け感のあるピンストライプのスキッパー襟のロングシャツは、エアリーな裾のシルエットが映え、女性のセンシュアルな魅力が引き立つ。裾をブラウジングしたクロップト丈のシャツなど一部はレディス専用アイテムだが、性差を超えたエレガンスを新たな魅力にしている。
(須田渉美、写真=加茂ヒロユキ)