フィルムの「ダブルスタンダード・クロージング」「ソブ・ダブルスタンダード・クロージング」21年秋冬は、ロイヤルエクストリアン（英王室の乗馬）をテーマにデザインした。そのものではなく、そのニュアンス、といった感じにブランドらしく解釈して独自の商品を作っている。引き続き好調な売り上げを反映してか、企画全体にパワーのある仕上がりだ。
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テーマが分かりやすいのは、チェック、ペーズリー、馬具などの柄物。乗馬の持つちょっとアッパークラスな空気や英国らしい柄を、遊び心も入れながら作ったラインナップとなっている。
ダブルスタンダードの代表的な商品は、チェックツイードを使ったシャツ型ロングベスト。伝統的な素材と切りっぱなしの気楽な感じをミックスしていて、大きめのシルエットにトレンド感もある。同素材のミニのトラペーズスカートは、ニーハイや乗馬ブーツにもおすすめだ。このベストだけでなく、ベストはこの秋冬、推しのアイテムとする。カットソーのボトルネックのプルオーバータイプ、ゴージャスなフォックスのリアルファーと羊皮フリンジの切り替え、レイヤード風デザインのモードなダウンがあり、合わせるもので好きな着方ができる。
ペーズリーとバンダナ柄も目を引く。バンダナ柄のニットジャカードはショールカラーのロングカーディガンにした。ペーズリー柄ボアのジャケットもある。
そのほか柄物は全体に豊富で、それが他ブランドとの差別化にもなっている。クマと幾何学模様が組み合わさったボア、サガラ刺繍のハートの総柄、「D」と「S」を組み合わせたモノグラムのジャカード、インターシャで描いたテディベアなどがある。
ソブの柄物はライディングキャップの柄のプリント、レトロな色合いのチューリップなどのフローラル。色はオレンジ、グレーが目立つ。アイテムで新しいのは二重のピューリタンカラーの付け襟をセットにしたニットトップ、上質なコットンを使ったフライフロントの白シャツなど。付け襟だけの商品もある。
毎年、好評なリアルファー、ムートンのベスト、ゴートレザーのジャケット、アンゴラの三子糸で織った生地のコートなど、ほかでは敬遠しそうなアウターをしっかり作っている。
