「ディウカ」26年春夏 個性的な生地で表情豊かに

2025/10/03 10:59 更新NEW!


 レディス「ディウカ」(田中崇順)の26年春夏は、個性的なテキスタイルを多く採用した。生地の豊かな表情を得意の立体裁断で際立たせる。春夏らしい鮮やかな色も目を引く。国内外の売り上げは増収基調が続き波に乗っている。

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 毎シーズン、国内産地を中心に一部海外の生地を使っている。ランダムにヒートカットしたスクエア状の布をベースの生地に縫い付けたテキスタイルは、一つひとつのパーツがフリンジのように揺れる。スペインの、希少性が高いという生地だ。ドレス(税込み11万5500円)はTシャツを基にリラックス感のあるシルエットに仕上げた。

ヒートカットしたスクエア状の布がフリンジのように揺れる

 埼玉県で唯一、カットジャカードを生産しているという工場で織ったオリジナルのジャカードも目を引く。部分的にレーヨンを用い、控えめな光沢と柔らかさを足した。布をねじるなど立体的なパターンで動きを出したトップ(4万4000円)やスカート(5万9400円)などを揃えた。

オリジナルジャカードで作ったトップとスカート

 定番のオリジナルプリントは今回、思い出の写真を短冊状に切り取ってコラージュしたデザインで、複数の色を使った華やかな印象だ。トップやドレス、ボトムを作った。プリントは京都の老舗染色工場に依頼した。

トップは定番のオリジナルプリントで仕立てた。ボトムは桐生のジャカードで、長く垂れ下がったウーリー糸が動きを加える

 シアーで清涼感を加えた服もある。ボリュームシルエットのスカートは、ナイロン糸でハードな質感のパワーメッシュとインド産超長綿の天じくを重ねた。見た目に反して軽やかで、スタイリングを工夫すれば通年着られる。

 今回の服作りでは、「布が体から離れた時の、点と点、線と線のつながりを考えた」と田中。あらかじめ、折り畳んだり切り抜いたりして造形したシーチングを用いて立体裁断した。シーチングをトワルに当てた時の不規則な布の動きや落ち方をデザインに生かしたという。



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