モデルの富岡佳子さんによる商品企画のプロジェクト「アルジット」が始まった。富岡さんが欲しいもの、興味のあるものを、各分野の作り手とともに開発するプロジェクトだ。アルジットとは、フランス語で粘土を意味する「アルジル」と富岡さんの頭文字のTを組み合わせた造語。柔らかい粘土で物を形作るように、自由な発想で様々な物を作りたいという願いが込められている。
デザインや企画を担当するのは富岡さん。所属するマネジメントなどのフェリシテが運営し、パートナーとなるメーカーが生産販売する。第1弾として、新潟・五泉産地のOEM(相手先ブランドによる生産)企業、アプローズジャパンとともにメイド・イン・ジャパンのニットウェアを作った。
目指したのは、「毎日着続けたいと思える、日々の暮らしに寄り添うニット」。高品質な製品を作ることができる五泉ニットの実力を生かして、着心地の良いクルーネックセーターやニットストールを作った。長く愛用できるスタンダードなニットであることを重視したという。
ディテールにもこだわった。身幅や丈、袖の長さ、襟の開き具合などを細かくチェックして試作を重ね、理想のシルエットを形にした。ハイネックセーターは、リブではなく繊細な編み地で凹凸を表現。大人の女性が一枚で無理なく着られるように体にフィットしすぎないフォルムを目指した。サーマルTシャツのような薄手のセーターは、セーターのインナーとして重ね着するのがおすすめだ。
クルーネックセーターが本体2万6000円、タートルネックセーター2万8000円、カシミヤセーター6万2000円、ポロニット3万2000円)、メランジュのカーディガン4万8000円、カシミヤストール4万8000円。よりカジュアルなスエットのプルオーバー(3万2000円)は、ネックと袖口部分をニットに切り替えている。
販売はアプローズジャパンが立ち上げるアルジットのECを中心に、百貨店などの期間限定店も検討していく。
富岡さんは、モデルとして長年ファッションに携わってきた経験をベースに、長く大切に使えるもの提案したいという。それは、ファッションアイテムだけでなく多岐にわたる予定。「対象はいろいろ。興味を持ったら食品を作り始めるかもしれません」という。