ローヤルゼリーに新知見 肌の角層水分量と真皮の厚みを向上させ、シワやキメを改善独自

2025/11/27 (2025/11/28更新)

株式会社 山田養蜂場


株式会社 山田養蜂場
独自のエキス化を実現

 株式会社山田養蜂場(所在地:岡山県苫田郡鏡野町、 代表 山田英生、以下「 山田養蜂場 」)の自社研究機関である、山田養蜂場グループ 美容科学研究所では、これまでの研究において、ローヤルゼリーが表皮幹細胞や間葉系幹細胞を活性化させることを明らかにしてきましたが、この度、ローヤルゼリー中の幹細胞活性化成分に着目した、新しいローヤルゼリーエキス(以下、新RJエキス)を開発しました。この新RJエキスを塗布することで、角層水分量と真皮の厚みが向上し、シワやキメの乱れを改善することが示されました。つまり、新RJエキスが表皮と真皮それぞれの幹細胞に働きかけるという細胞試験の結果を、人においても同様に得ることができました。また、この新RJエキスは表皮の基底層に位置する表皮幹細胞の領域まで到達している可能性が示されました。本成果は、科学雑誌『Journal of Cosmetic Dermatology』に掲載されました(2025年10月)。

【研究結果の概要】
新RJエキスの塗布により、角層水分量と真皮の厚みが向上し、シワやキメが改善しました。また、この新RJエキスは、表皮の基底層において、幹細胞の機能を維持していることが示されました。

◆今回の研究の概要図



【研究背景】
 超高齢社会である日本は心身の健康や見た目の美しさへの関心からエイジングケア※に注目が寄せられています。特に、シワと生活の質には密接な関係もあり1)、シワ改善などを目的とした化粧品のニーズは年々高まってきています。
 シワができる一因として、「表皮幹細胞」「間葉系幹細胞」の機能低下が挙げられます。「表皮幹細胞」は肌の細胞を絶えず生み出すことで潤いのある健やかな肌を育み2)、「間葉系幹細胞」は真皮に存在する線維芽細胞を活性化させ、コラーゲン産生を促します3)。加齢によって幹細胞が衰えると肌の老化に繋がる4)ため、幹細胞を活性化することによって、肌悩みが改善されることが期待されます。
 当社はこれまでに、ローヤルゼリーの塗布により角層水分量が向上すること、細胞試験でローヤルゼリーが表皮幹細胞の機能を高めること、間葉系幹細胞を活性化して線維芽細胞のコラーゲン産生を高めることを明らかにしています。しかし、ローヤルゼリーが実際に肌内部で幹細胞を活性化するか、また、それによってどのような美容効果があるかは、まだ確認されていませんでした。
 そこで当社は、ローヤルゼリー中の幹細胞活性化成分に着目し、幹細胞を活性化する成分を豊富に含んだ新しいローヤルゼリーエキスを開発しました。本研究では、この新RJエキスが、ヒト由来皮膚組織を用いた試験で肌内部において幹細胞にどのような影響を与えるのかを調べるとともに、シワやハリの低下など加齢に伴う肌悩みを持つ女性に使用してもらうことで、どのような美容効果が得られるかを調べました。
※年齢に応じた化粧品によるお手入れ

参考文献
1) J Clin Aesthet Dermatol. 2013 Sep;6(9):41-45.
2) Annu Rev Cell Dev Biol. 2006:22:339-73.
3) Sci Rep. 2016 Sep 12:6:32993.
4) Am J Pathol. 2020 Jul;190(7):1356-1369.

【研究方法】
1)ヒトでの塗布試験
シワなどの肌悩みをもつ健康な女性64人(平均53.6歳)に、顔の左右どちらかに新RJエキスを含有したクリームを、もう一方には新RJエキスを含有しないクリーム(プラセボ)を、1日2回、12週間塗布してもらった。塗布前、塗布6・12週間後に、目尻のシワの状態や角層水分量、真皮の厚み、キメの状態を測定した。

2)ヒト由来皮膚組織を用いた試験
ヒトに由来する皮膚組織に、新RJエキスを含有したクリームまたは含有しないクリーム(プラセボ)を塗布し、24時間培養した。その後、幹細胞関連マーカーを染⾊し、組織中での発現を観察した。

【研究詳細】
<結果1.>目尻のシワの深さが改善
新RJエキスを塗布した側の目尻では、プラセボを塗布した側と比較して、
「最も大きいシワの深さ」が改善した。







◆新RJエキス塗布によるシワ改善(顕著例)
         塗布前                     12週間後

          

           

<結果2.>角層水分量が増加し、真皮の厚みが向上
新RJエキスを塗布した側では、プラセボを塗布した側と比較して、角層水分量が増加し、真皮の厚みが向上した。このことから、新RJエキス は、表皮と真皮の両方に働きかける可能性が示された。

 A)表皮                      B)真皮


              

              

<結果3.>肌のキメが改善
新RJエキスを塗布した側では、塗布前と比較して12週間後で、キメ体積率※1・キメ面積率※2・キメの最大深さが向上した。すなわち、頬表面の凹凸がはっきりし、肌のキメが改善した。

◆新RJエキス塗布によるキメ改善(顕著例)





     キメが平べったく流れている            光を均一に反射している
     光の透過が悪く、くすんで見える          肌全体が明るく、くすみがない
     そのため、肌全体がボケて見える          キメが整ってはっきり見える

※1 肌表面の小さな溝(皮溝)が全体の体積に占める割合。値が大きいほどキメが深く、
 規則的に整った良い肌であることを示す。
※2 皮溝全体の面積に占める割合。値が大きいほど、きめ細かく健康な肌であることを示す。

<結果 4.>幹細胞マーカーの発現が増加
ヒト由来の皮膚組織に新RJエキスを塗布すると、基底層部分に存在する表皮幹細胞マーカー(COL17A1※1)の発現が増加した。このことから、新RJエキスの成分は、表皮の奥の基底層まで届き、表皮幹細胞の維持に関わっていることが示唆された。



※1表皮と真皮を隔てる基底膜にあるコラーゲンタンパク質。表皮幹細胞の維持に関わる。

【今後について】
 ローヤルゼリーが肌に対して有用であることは、これまでの研究や伝承的な情報などからも知られていましたが、どのようなメカニズムで有用性を示しているかについては不明な点が多くありました。今回の研究では、新RJエキスが角層水分量と真皮の厚みを向上させ、シワやキメを改善することが確認されました。また、この新RJエキスは表皮幹細胞領域まで浸透し、幹細胞の機能を維持していることが示されました。山田養蜂場では、本研究によって見出されたローヤルゼリーの新しいメカニズムを活用し、今後も人々の美と健康につながるような商品開発を行って参ります。
また、ローヤルゼリーが全身に作用するメカニズムについては依然として不明瞭な点が多くありますが、山田養蜂場はこれからも多角的な研究を継続することで、ローヤルゼリーの作用メカニズムを解き明かして参ります。

【これまでの研究成果の一例】



<文献情報>
タイトル:
Effect of Protease-Treated Royal Jelly Extract on Facial Wrinkles: A Placebo-Controlled, Double-Blind, Parallel-Group Study
著者:池上 志穂1、伊藤 隆志1、岡本 秀人1,2ほか
所属:1 株式会社山田養蜂場 R&D本部 山田養蜂場 健康科学研究所
2 株式会社山田養蜂場 R&D本部 山田養蜂場グループ 美容科学研究所
論文情報:J Cosmet Dermatol. 2025 Oct;24(10):e70503.
公開日:2025年10月24日
DOI:10.1111/jocd.70503.
URL:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jocd.70503
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